特定非営利活動法人福島ライフエイド(NPO法人ふくしまらいふえいど)は3.11を原因とする県外生活者、そして地域住民のニーズに応える復興支援活動を行う団体です。















 織物・羊毛クラフト・染色を手がける福島市在住の鈴木美佐子さん。保原町の真綿を茜で草木染めをして、手紡ぎした糸を織り着物を製作、今年9月に福島市飯坂温泉内の旧堀切邸で“手しごと展”を開催しました。着物には「あかね色の夕空はあした晴れのしるし。福島のあしたが晴れますように」という復興への願いが込められています。福島の地域資源と伝統文化から復興を考える、鈴木美佐子さんのお話をお伺いしました。

川俣町の絹織物
 福島にお住まいの方なら知っている方は多いと思うのですが、保原町の養蚕、真綿※の技術は約400年の歴史を誇り、現在では全国で福島のみの生産となっています。また、日本有数の絹織物の産地として有名な川俣町では、髪の毛の約6分の1という細さの絹糸で織られた空気のような軽さの「フェアリー・フェザー」という絹織物が開発され、2012年の「ものづくり日本大賞」で最優秀賞の「内閣総理大臣賞」を受賞。世界的にも注目されています。
 福島の歴史とは切っても切れない養蚕という伝統産業が今日に受け継がれ、更なる技術の向上を目指して努力を続けています。

手しごと展をとおして
 工房おりをりでは、真綿から糸を紡ぐ「手紡ぎ糸」を福島の手仕事として伝えていきたいと『糸づくりプロジェクト』に取り組んでいます。その成果と福島の誇る伝統、手仕事の良さを知って頂きたくて、今年9月に福島市飯坂温泉内にある旧堀切邸で“手しごと展”を開催しました。
 5日間で福島のみならず全国各地から4,000名以上の方にご来場頂くことができました。
 この展示会を通じて福島の伝統や技術の素晴らしさを知って頂くことができればとても嬉しいです。

今後の展望
 福島県には、川俣町の絹製品、保原町の真綿、それを支える養蚕など、古くから受け継がれた伝統と進化し続ける素晴らしい技術があります。これらの産業が活性化すれば伝統を引き継ぐとともに雇用を生み出し、それが復興の原動力となればと思っています。
 技術に放射能は関係ありません。放射能の影響で立ち止まってしまうことはないのです。
 今回の手しごと展では、“福島のあしたが晴れますように”という願いを込めて【茜】で染色した振袖を製作しました。保原町の真綿を紡いでそれこそ手作業で縒りをかけて糸にしたものを何度も何度も染色します。毎年重ね染めすることで色が完成されてゆくのです。5年10年と重ね染めを繰り返し、その色が完成した時に福島の復興も完成している、そのような仕事になればと考えています。

震災を経て
 福島には素晴らしい地域資源と伝統文化があります。震災は福島に大きな厄災をもたらしましたが、一方で私たちの故郷福島を見つめ直すきっかけにもなったのではないでしょうか。私たちが持っている素晴らしい歴史と文化・技術に誇りを持って、福島の復興の力となる手仕事の発展に協力していけたらと考えています。


■プロフィール
鈴木 美佐子(すずき・みさこ)
福島市南沢又で機織り、草木染め、羊毛クラフトの製作と教室を開催。手作りの大切さ、楽しさ喜びを味わってもらうための活動を行っている。震災後、特に地元福島の伝統、保原の真綿、川俣の絹織物、養蚕に注目。見て触れて、その素晴らしさを感じてもらい、伝えてもらいたいと取り組みを行う。

町工房おりをり
県庁通りと文化通りの角にある、羊毛・作品・糸・道具類を取り扱うお店です。鈴木さんの展示会や教室の情報も知ることができます。
■住所:福島市大町9-15 ■営業時間:11時〜18時
■定休日:木曜日と第2、第4日曜日 ■駐車場:無し
■Tel:090-6624-5206 ■URL:http://d.hatena.ne.jp/oriwori/

そのほか、福島市南沢又「工房おりをり」では、水、木曜日に教室が開かれ、「染織り工房おりをり」(飯坂町中野19−1)では、毎月子どもたちのための「寺子屋おりをり」も開かれています。

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